公契約とリビングウェッジ

2011.12.16

自治体と契約を結ぶ際に、条例で定める賃金水準などの基準を満たしていることが条件とされる「リビングウェッジ(生活賃金)条例」は、アメリカやイギリスで追求されてきた。イギリスではすでに一二○年の歴史がある。同国では、一八九一年の下院公正賃金決議を経て、賃金から労働時間、他の労働条件、団結権承認と労働基準を設定する際には労働協約を参照することが求められるようになった。適用される労働者の範囲も、一次下請けから、二次、三次の下請け労働者へと拡大されていった。

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自治体でも取り組みがすすめられ、今口では、フレア政権が、公正雇用条項を全国規範として公契約の内容とすることをルール化している。アメリカでは、すでに約二一○の自治体で制定されている。これは、最低賃金法に定められている賃金が低額な水準に据え置かれている現状のなかで、家族とともに人間として生きていけるだけの水準を充足させる方法として編み出されたものである。条例の内容は自治体によってまちまちだが、自治体と契約を締結する業者(事業の委託を受ける受託業者はもちろんのこと、市の施設を賃借したり、助成金の交付を受けるなどの契約関係にある者を意味し、その範囲も条例によって異なる)については、条例で定める労働基準などの遵守を条件にすることが共通項である。その条件も、労働者が自立して生活を営むことのできる賃金水準を確保していること、性別、年齢、障害の有無、人種、国籍、社会的身分などによる差別をしないで、社員に占める被差別者集団の割合を一定以上にして雇用や待遇を確保していること、労働組合を承認すること、など多岐にわたっている。