戦後最大の不況といえば、今回の不況以前ではオイルショックであった。次に、このオイルショックのときに何が起きたかを振り返っておこう。第一次オイルショックは1973年の不況である。円が固定相場制から変動相場制へと移行し、円高となり、そこへ第四次中東戦争が勃発して原油高と原油減産がはじまったことから起こった不況である。当時のトイレットペーパー買占め騒動は、いまもしばしば話題になる。オイルショック時に起こ
オイルショックがもたらしたもの(1973年〜)... の続きを読む
現在のアメリカ企業の行動が示すように、さらなる資本利益の追求を目的として企業業績の好調時に雇用の削減を図る、なぜなら雇用の削減に伴う退職手当の捻出は企業業績の好調時にこそ可能であるから、というのが株主支配型の企業統治の行動であれば、日本企業の行動との違いは明らかだ。前者において雇用保障の観念は制度的に否定されるのであれば、日本企業の行動は雇用の安定を優先させるものだとみなしてよい。それを可能とする
企業業績の好調時に雇用の削減を図るアメリカ... の続きを読む
私は、これまでに11回転職した。当初からこうした職業人生を計画したわけでは決してないし、結果的に、失敗や無駄もあった。毎回、遠い将来ではなく、そのときそのときを考えて転職を決めたのだが、後から振り返ってみて、若い頃の転職と、中年期(現在四九歳だから、「中年」という言葉を受け入れる用意はある)の転職では、意味が違っていたし、結果的に、キャリアーデザインの考え方として、ある程度一般的な応用が可能な転職
私の転職を振り返る... の続きを読む
「知られている限りでいえば、人間の能力の分布は勤労所得の実際の分布ほど不平等ではない」企業というミクロな世界にいて自分と同質の人間を見ていると、能力格差に比べて賃金格差が小さいような気がする。だから業績給も当然だとか仕方がないと思ったりする。しかし枠を一つ外して、自分の賃金と事務職の若い女性の賃金格差が能力格差を反映していると思えるかということになると、明らかに自分の方が能力が高いという自信は持て
賃金も大きく変わる... の続きを読む
人には辛い努力と見えるものが、本人にはいたって平気ということがよくある。好きで探求しているのだから辛いわけがない。これは仕事にも言えることで、本当に仕事が好きな人はそれこそ他人の何十倍も何百倍も努力して、プロのビジネスマンとして育っていく。そこまで仕事を好きになれないという人に出会うことがある。だがそれは、まだ好きな仕事にめぐり会っていないだけであろう。私自身、いくつかの職種を経て、今の仕事にたど
自分が一番熱くなれる仕事を探す... の続きを読む
現在の日本の企業にひろく行きわたっている雇用や賃金の制度、また、人材の育成や管理のしくみなどを調べてみると、その多くは第二次大戦後とりわけ一九六〇年代から一九七〇年代にかけての高度経済成長期を経て定着したものであることがわかる。これらの制度の歴史的な淵源は戦前あるいは日本の工業化の初期にまでさかのぼれるものがあるが、日本の企業社会、産業社会にこれらの制度がひろく普及し定着したのは高度経済成長時代を
局度成長期の好循環... の続きを読む
ヘッドハンターから声をかけられて、前向きに考える人が以前に比べて多くなったとはいえ、まだ大抵の人は戸惑いや逡巡の様子を見せる。人生の大きな転機だから当然といえば当然だが、決断を先送りする姿に考えさせられることが実に多い。そういう人たちは、おそらく「とりあえず嵐が去るのを待とう」という心境なのだろう。頭では転機なのだと分かっていても、「もう少し様子を見てからでも……」と身を縮め、踏みとどまってしまう
年収ダウンでも外へ出るという判断... の続きを読む
深夜交代勤務、労働時間の長さ、勤務場所や仕事の変更などの基準それ自体は、性別を直接物差しとするものではない。しかし、これらの基準によって働き手の待遇を決めるとすると、男性に人間の生活や生体のリズムに反する労働が集中したり、女性に低賃金や低い処遇が集中したりする。深夜交代勤務や残業、転居を伴う転勤に応じることができるかどうかを社員区分基準にして処遇の差別化をはかり、家族的責任を負担する女性は、一般職
「自由度」に関する基準... の続きを読む
自治体と契約を結ぶ際に、条例で定める賃金水準などの基準を満たしていることが条件とされる「リビングウェッジ(生活賃金)条例」は、アメリカやイギリスで追求されてきた。イギリスではすでに一二○年の歴史がある。同国では、一八九一年の下院公正賃金決議を経て、賃金から労働時間、他の労働条件、団結権承認と労働基準を設定する際には労働協約を参照することが求められるようになった。適用される労働者の範囲も、一次下請け
公契約とリビングウェッジ... の続きを読む
従来、期間を定めて労働契約(これを有期雇用契約といいます)を結ぶ場合は、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの以外は、一年以上の期間を定めることはできませんでした。仮に一年以上の期間を定めた労働契約を結んでも一年の契約とみなされ、それ以上の部分は無効とされてしまいました。期間を定めた労働契約の場合は、使用者・労働者双方ともに、契約を解除することが難しいため、労働者を保護するために定められていたも
エキスパートは長期契約で確保する... の続きを読む
小売業の原点に立ち返り、きびしい環境を乗り切る。長引く不況の中で、百貨店業界は依然としてきびしい状況下に置かれている。かつて栄華を誇った老舗デパートが閉鎖や縮小を余儀なくされるケースも珍しくない。しかし、一方で、新たな事業戦略を打ち出し、着実に成果を上げているところもある。その代表格が西武百貨店だ。同社は、八〇年代に多様な生活者ニーズに対応し、多角化事業を推しすすめた。単にものを売るだけではなく、
実力主義型の制度を導入して、人件費の変動化を促進す... の続きを読む
年俸は「基礎年俸」と「加算年俸」からなるが、基礎年俸は生活保証的な意味を持ち、同一等級では全員が同じ金額になる。加算年俸は事業計画の内容に応じて設定するため、当然その年度によって変わる可能性があり、人によっても差額が生じる。この事業計画の値段を同社では「経営の期待値」と呼び、加算年俸の金額は経営の期待値と実績評価とのマトリックスによって決まる。まず、仮年俸を決める際の加算年俸の決め方を見てみよう。
経営期待値の高さは経営課題と連動... の続きを読む